メナガグソクムシが入館しました
昨日、熊野灘の水深300mからメナガグソクムシがやってきました。 さっそく、へんな生きもの研究所のオオグソクムシ水槽に収容。 グソクムシ科のメナガグソクムシは半寄生性で、魚の体表に取り付いて体液を吸い、満腹になれば魚体から離れて海底に落ちて消化を待つという習性を持ちます(ちなみにオオグソクムシはスナホリムシ科になるので別のグループ)...
View Article枯れ葉で営巣する深海生物
先日紹介した、ゴカイの仲間Nothria属(ノトリア)の続きです。 ノトリアの仲間は小さな貝殻などで巣を形成し、それを引きずるように生活しています。 熊野灘の水深300mで採集したノトリアの巣(画像)を研究者に見てもらったところ、日本の5種の既知種、および1種の未記載種、そのどの巣形質とも一致しない、との返事をもらいました。…ここまでが前回の話。...
View Articleオオセが入館しました
朝、漁師さんからの電話がありました! 「見たことないサメが捕れたんよ~」 聞けば… ・オオサンショウオみたいな格好で~ ・口の周りにヒゲが生えていて~ ・体にサンゴみたいな模様がはいっている~ ふむふむ…おそらくあのサメだろうなぁ~と思いつつ受け取りに行ってきました。 漁港に到着すると…待っていたのは~おぉ!ビンゴ!! 【オオセ】というサメでした。 全長は117cm オスでした。...
View Articleニチリンヒトデに共生?するミズムシ
先日の沖合底引き網で水深300mから採集したニチリンヒトデにミズムシ(等脚類)を見つけました。 これで4年連続4回目。やはりニチリンヒトデには このミズムシが共生(?)するようです。 これまでに確認したのは2014年の春、2015年と2016年の1月、そして先日の2017年2月。他の時期では確認できていないので、もしかしたらミズムシが群れるのには季節変化があるかもしれません。...
View Articleアラウロコクモヒトデに寄生するコペポーダ
去年見つけた熊野灘水深300mのアラウロコクモヒトデに内部寄生するコペポーダ(甲殻類) 腹側から見るとこういう姿。 飼育日記で紹介したところ、著名な研究者から「写真を見る限りコペポーダの仲間のようです。まだ知られていない種類であるのは間違いでしょう」といった返事を頂いたのでテンション上昇!(笑) 今シーズンも沖合底引き網の標的の一つに掲げています。...
View Article落ち葉で巣づくり
先日紹介した、落ち葉で巣づくりするNothriaの仲間は、水深300m付近に生息しているのに使う巣材は落ち葉や小枝そのまんま。 一見すると森の林床部で生活する生物の雰囲気(笑) これが深海の生物だとは…不思議。 今、研究者に調べてもらっていますが、どうやらこのNothria、少なくとも日本では初確認となる種類と考えて間違いないようです!(驚)...
View Articleようやく再会しました…
昨日の夕方のこと。 へんな生きもの研究所で回収したウデナガゴカクヒトデから何かが飛び出していることに気が付きました(正体はすぐにわかりました) おぉ! 興奮MAX!(笑)シダムシです! と、ここでまずはシダムシのおさらいを… シダムシはヒトデの体腔に寄生する甲殻類で、日本から正式に報告されているのは3種類ですが、その他に未記載種が4種類ほど知られています。...
View Articleアシュラ男爵伊勢海老
先日、2色に分かれたイセエビが捕れたと言うことで、 遙々、御浜町まで受け取りに行ってきました。 左右で色分かれしたものは、モザイク雌雄などと呼ばれることがあります。 簡単に言うと体の右と左で雌雄が違うということです。 昆虫の仲間ではこういった例があるのですが、果たしてイセエビではどうなのでしょうか? ドキドキしながらご対面してきました。...
View ArticleYour name。
どうも皆さんこんにちは。 しもやけが落ち着いたと思ったら 次は花粉にやられてます ともちゃんです。泣 くしゃみも鼻水も ショーの時には止まります。笑 さてさて、今年も始まったと思ったら いつの間にか3月になってました。 無事にセイウチたちのひな祭りも終わり ホッと、一息つきたい所なんですが 4月もあります!! 何があるかはまだ内緒です。笑...
View ArticleNothria sp.
前回の熊野灘沖合底引き網採集で水深300mから採集したゴカイの仲間 ノトリア(Nothria) 正面顔はこちら。 7本の触手がキュート!(5本の感触手と2本の頭触手) そして、どうやら このノトリアはまだ名前が付けられていない未記載種であることがほぼほぼ確実になってきました。 これは面白くなってきましたよ!...
View Articleメナガグソクムシではなく…
先日、熊野灘水深300mでメナガグソクムシが採集できました!と紹介した、このコ…(現在オオグソクムシ水槽で飼育中) 左右の眼が癒合しているので「メナガグソクムシ」かと思ったのですが…よくよく見ると腹尾節の後端が尖っていません。 これはメナガグソクムシではありませんね。 ちなみに本当のメナガグソクムシはこちら。尖っています。 鳥羽湾で採集(2015. 4月)...
View Articleシーグラス水槽のタナイス(アプセウデス類)
鳥羽水族館は飼育生物種類数日本一をうたっているので、メジャーなものからマイナーものまで色々と飼育しています。 私が担当するものはマイナー生物がほとんどで、この日記で紹介しないと誰にも気付いてもらえない(職員ですら!)生物もいくつか。 今回紹介する、シーグラス水槽のタナイスの仲間(おそらくアプセウデス類)もそう。...
View Articleミズムシに目ができた
熊野灘の水深300mで採集したミズムシの仲間(種類不明、調査中) ニチリンヒトデと共生しているのかいつもヒトデの体表から見つかります。 今回採集した個体はちょうど抱卵中でした。 こちらは3月3日の様子。うっすらと黄色に見えるのが卵です。...
View Article葉っぱノトリア
ノトリア(Nothria)とは ・貝殻などを付着させた筒状の巣をつくる底在ベントスの多毛類で、世界で40種類ほどが知られている。 ・先月、熊野灘 水深300mで採集したノトリアは未記載種である可能性が高いことが明らかになった。また、枯れ葉を使って営巣するという本種特有の生態は興味深い。...
View Article不明種ウミシダからスイクチムシが見つかりました
スイクチムシとは ・主にウミシダに外部寄生するゴカイやミミズなどと同じ環形動物の一員(内部寄生種もいる)。ダイバーには意外と人気がある。 ・170種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生するが、ごく一部の種がヒトデ、クモヒトデ類からも報告されている。 ・熊野灘の漸深帯のヒトデに内部寄生するスイクチムシ(未記載種)を見つけてから、もりたきの中にスイクチムシの風が吹きはじめている… さて。...
View Article鏡餅ウニ
鏡餅ウニとは ・熊野灘の水深300mで採集される殻径2cm以下の小さなウニの一種。学名はPrionechinus forbesianus ・海底に沈んだ木を餌にしている。鏡餅のように2匹のウニが重なる奇妙な習性を持つが、その理由は明らかになっていない。 ・重なる姿から、仮称で「鏡餅ウニ」と呼んでいるが、正式な和名はない。 さて。...
View Articleミズムシが孵化…
先月、熊野灘の沖合底引き網で水深300mから採集したミズムシ(等脚類)の一種。 ニチリンヒトデと共生関係にあるようで、見つかるのは決まってニチリンヒトデの体表面から。他のヒトデからは見つかっていません。 今回は抱卵個体が採集できたので、卵の発生過程を毎日楽しみに観察していました。 3月3日 保育嚢の中で黄色く見えていた卵(胚) 3月9日には発眼を確認しましたね…...
View Articleウロコムシの矮雄?3例目
・熊野灘 水深300mで採集されるヤドカリ2種(ジンゴロウヤドカリ、ヨコヤホンヤドカリ)の殻にウロコムシの仲間(不明種)が共生する。 ・そのウロコムシの背面に並ぶウロコの中には小さな個体が隠れていることに去年、初めて気が付く。これまでに2例を確認。 ・小型個体は矮雄(小さなオス)かも。そんな習性を持つウロコムシは報告がない。すごいですよ!などと、先月2名の研究者から聞いて色めき立っている。...
View Article鏡餅率87.5%!
昨晩は宿直でした。 朝、見回りをしていると… おぉ!へんな生きもの研究所で14組もの「鏡餅ウニ」に遭遇!これは過去最高数です。(カメラを忘れたので過去の画像を使用) 鏡餅ウニ(仮称)は、熊野灘の水深300m付近に生息するウニで、沈木に群がりそれを餌にしています。和名はありません。 現在、この水槽では32匹を飼育していますが、そのうち28匹が重なっていた(14組)ということは…鏡餅率は実に87.5%!...
View Article知ってる人は知っている。知らない人は覚えてね。
おはようございます! 花粉がピークで夜も全然 寝られません、ともちゃんです。 こんな朝早くに日記を書くのは初めてです。笑 というのも…。 ご存知の方もいるかと思うんですが 最近、セイウチショーは午前・午後ともに 中止しているのが続いているんです。 なぜセイウチショーが中止なのか… 実はセイウチ達、春が近づき恋の季節ということで 発情のシーズンを迎えております。...
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