深海のベニアツフジツボ
冬の早朝、自宅玄関から富士山が見えることがあります(直線距離で200km先)。毎朝の楽しみです。 さて。 そんな富士山に似た姿をした海の生物が「フジツボ」です。 去年の9月、熊野灘の沖合底引き網採集で水深200-500mからカッコ良いフジツボを採集しました。ベニアツフジツボEutomolasma japonicumのようですね。 大きな楯板にそそられます。...
View Articleバルトの”大好き”トレーニング その②
こんにちは!Twitterでご覧になった方はお気づきでしょう、前回の飼育日記で、まだお見せしないつもりだった完成形を堂々と一番目立つ所に載せてしまった、おっちょこちょいしんどぅです!(笑) さて今回は“大好き”という種目を練習中のハイイロアザラシ、バルトのその後です。 前回は第一段階「片手はバンザイ、もう一方は敬礼」を覚えた所まで紹介しました。...
View Articleカワウソの力関係
「かかあ天下」という言葉は皆様ご存知と思います。妻の権威・権力・威厳が夫を上回っている家庭を指します。鳥羽水族館のカワウソはまさにそれと言えるでしょう。マーボー()とユウコ()ペアの今朝の一コマ。 ユウコがマーボーにのしかかり、お腹を噛んでいます。写真ではわかりずらいですが、噛んだまま頭をブンブンと振っています。...
View Article奪われた?イソギンチャク
先日の金曜日、へんな生きもの研究所のキンチャクガニが持っていたイソギンチャクが無くなったとお伝えしました。 2匹のキンチャクガニのうち(個体A・メス)の方はイソギンチャクが1つだけ残っていたけれど、(個体B・オス)の方は両方のイソギンチャクとも無くなっていて、代わりにサカサクラゲのエフィラ幼生を左のハサミでつかんでいました。 ところが、月曜日の朝に見ると…...
View Articleセイウチ語を話したい。
皆さんこんにちは、ともちゃんです。 「セイウチには喜んだり、悲しんだりといった感情があるのでしょうか?」 というお問い合わせをいただく事が、1年に2.3回あります。 真偽は分かりませんし、それを判定することも困難かと思います。 セイウチとトレーニングをしている時に「活発さ」であったり「意欲的」という言葉を使っていますが、それが正解かどうかも分かりません。...
View Articleエフィラを持ったキンチャクガニ 最終章
先週の金曜日(22日)に左右のイソギンチャクを紛失し、代わりに左にサカサクラゲのエフィラをつかんだキンチャクガニの個体B(オス) 3日後、個体A(メス)からイソギンチャクを強奪(疑惑)ひとまずこれで両手がふさがったかと一安心したら… 何と、その翌日の昼過ぎに見ると、右手のイソギンチャクを左に持ち替えていました!結果、5日間キープしていたエフィラは泳いでどこかへ行ってしまったようです。 はぁ...
View Articleアツモリウオの産卵
今回は私が今一番期待していることについての話です! 2年程前よりアツモリウオの雌を1個体飼育していて、昨年の春頃にペアリングのため、雌雄不明の1個体を追加で同じ水槽で飼育していました。 濃い赤の方が新入個体です。 色合い的にも雄かなと思っていましたが、予想は外れ、初冬頃には2個体ともお腹が膨れだしてきたのです・・・ 交尾をしなくても卵を産む種類なので、結果的に両方が雌で、11月には卵を産みました。...
View Articleテングカワハギが入館しました
エントランスホールのサンゴ水槽に、お久しぶりのテングカワハギが仲間入りしました。 今回、搬入したのは4匹(2ペア) テングカワハギはサンゴ(ミドリイシ類)のポリプを食べるので、サンゴの枝の間を行ったり来たり。 あっちの枝をツンツン、こっちの枝をツンツン…オスとメスは常にペアで行動をします。 サンゴを求めてオスが先に行ってしまっても、後から追いかけるメス…...
View Articleオウムガイの糞
今朝は当館で孵化したオオベソオウムガイ№63の成長測定日。孵化直後の殻口(矢印の位置)から現在の殻口まで66.9㎜ありました。去年の8月1日に孵化から本日で182日。順調です。 さて。いきなりですが今回はオウムガイの糞の話です。 昨年イグノーベル賞を受賞した「ウォンバットの四角い糞」も興味ありますが、私は昔からオウムガイの糞のかたちも不思議に思っています。...
View Articleカニはイソギンチャクが好き
前回のキンチャクガニの飼育日記を受けてTwitterでいくつか質問を頂きました。お答えします。 まず、個体識別についての質問ですが、おたずねの画像はイソギンチャクを奪われる前のメス(個体B)です。...
View Article触ってもいいですか?
掃除などでカワウソ水槽に入ると、カワウソ達がペタペタ触ってきます。 気になるのでしょうか? 何してるの?とマーボー君。 では、こちらから触るのは?と言うと。 マーボーはおっとりしているので「触ってもいいよ?」と言う感じ。 一方のユウコは、餌の時にボディチェックはさせてくれるものの、触ってもいいよ、という雰囲気は無し。 ですが、ある日。 やけにユウコの視線を感じる・・・と手を出してみると...
View Article1月のカガミモチウニ
(みなさん、もうご存知でしょうが)カガミモチウニは「鏡餅」のようにメスの上にオスが乗る興味深い習性を持ちます。三重県の熊野灘あたりでは水深300 m付近から沈木と一緒に見つかります(日本以外ではマレー諸島を通ってフィジー島まで太平洋西側の水深260–1370 mにかけて分布)...
View Article泉ちゃん、ありがとう。
皆さんこんにちは、ともちゃんです。 1月29日にセイウチの泉ちゃんが、鳥羽水族館を出発し、翌30日にうみたまごへ到着しました! 血液検査で排卵が終了したと判断し、今回のブリーディングローンは終了しました。 2週間という短い期間でしたが、2回目と言うこともあって、ポウちゃんとの関係を築くのに困難な様子も見られず、鳥羽での状態も落ち着いていました。...
View Article今日は節分!
…と言うことで、まず始めにこちらのオニツノモヅル。 本種は今から9年前、2012年2月5日に志摩市御座沖水深80 mに仕掛けたサメ刺網で採集されました(現在は展示していません) 水族館に持ち帰り、画像を飼育日記に掲載するとすぐに東京大学(当時)の研究者から和名のない珍しい種類だと連絡が入りました。その後、Astroceras...
View Article挿し木な日々
直近の社会情勢を受け、来館者さまがちょっと少ない最近の鳥羽水族館です。 はやく世の中の事態が好転し、元通り多くのお客様にご来館いただける日が来れば・・・と切に願っています。 さて、来館者の方々が少ないと、亜熱帯コーナーの扉の開閉回数が少なくなります。 そうなると、気温と湿度が高い状態に保たれ、いわゆる高温多湿となり、この季節でも亜熱帯植物が育ちやすい環境になります。...
View Articleカガミモチウニ・オスの不思議な行動
2月から飼育場所を移動させたカガミモチウニのペアですが、夕方、何気なく水槽を覗いて、思わず息を飲みました。 メスの上に乗ったオスが管足を上に向けてピーンと伸ばしているじゃないですか! 管足を上に伸ばす【Banzai】 こんな行動は初めて見ました。いきなり驚きの行動です。※【】の行動名は今、適当に名付けました(笑)...
View Articleステイ ホール
こんにちは、みなみです(^・^) コロナウイルスの影響で、まだまだ自粛期間が続いていますね。 メイちゃんも、“ステイ ホーム”ならぬ “ステイ ホール” ラッコのプールには1箇所丸い穴があり、メイがそこに入れるようになっています。 この写真、ただメイが穴に入ってポーズをきめているだけではないんです。 実は、私とメイちゃんとの距離約2m! ソーシャルディスタンスもばっちりです。...
View Article最近の楽しみ
イルカを担当する私の毎朝の作業に「調餌」があります。10キロ入りのアジのブロック3ケースほどを解凍し、大・中・小に選別して行きます。アジ、アジ、アジで、あまり楽しい作業ではないのですが、最近使っている三重県産のアジの選別は少し楽しい気分になれます。99%以上がマアジなのですが、それ以外の魚が少し混ざっていて、それを見つけるのがちょっと楽しいのです。...
View ArticleLET’S協力プレイ~エイエイオーッ!~
皆さんこんにちは、やはたです。 新年を迎えたばかりだと思っていたら、もう2月に入りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。 私は、昨年あることに挑戦していました!それはハイイロアザラシ、ポポの採血です。 ポポは採血をすることが出来るんですが、以前の採血から、時間も経っており、 私にいたってはポポの採血をしたことがなく、初挑戦でした。 まずは結果の前に”採血”について少しお話を。...
View Articleスマイル!セグロイソメ
今回紹介する生きものはへんな生きもの研究所のアパート水槽(ショウグンエビの水槽)の石の下に隠れているセグロイソメの一種です。 食事の時だけ姿を現すので、普段はほとんど見ることができませんが、なかなかかわいい顔をしているので私のお気に入りです。拡大して見ると笑っているように見えませんか? 虹色に輝く体とつぶらな瞳(眼点)がキュートです。...
View Article