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Channel: 鳥羽水族館 飼育日記
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おっはようございまーす♪

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皆さん、おはようございます。

えんどぅーさんのTwitterを見て

セイウチのキーホルダーが無性に欲しくなったともちゃんです!!笑

 

さてさて、朝早くからの飼育日記ですが

実は僕、昨日は宿直勤務の日でした。

 

syuku-tyokuって言うのはですね、

夜間の間も水族館に泊まって、水槽の異常や動物の状態を

観察したり、館内の警備・巡回をしたりする仕事のことなんです!

 

昨日が初めての宿直で緊張していた僕に

「あのコーナーは、出るよ。」

「自動警報装置で警報が鳴ればいいのに。」

と、温かい声援を送ってくれた先輩方、ありがとうございました!!笑

無事に、何事もなく勤務を終えることができました。

 

これも、水族館の大事な仕事です!

もっともっと努力していきたいと思った1日でした。

 

 

皆さんも水族館に来た際には、眠そうな

飼育員に声をかけてみてくださいね!

 

p.s 朝の見回りでパシャリ!!イロワケイルカの「ライト」君です。


深海ヒトデに貝を探す

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昨日は熊野灘(南伊勢町沖)漸深帯底引き採集に行っていました。

操業中、博物館の学芸員さんが深海の小さな貝を探すために採集されたヒトデを欲しがっていた、という話を船の親方から聞きました。

確かに、スナヒトデやモミジガイ(ヒトデ)の仲間は小さな貝を丸飲みにする食性を持つので、満腹のヒトデを採集すれば小さな深海の貝を手に入れることができます。

ですが、この船でその類のヒトデはあまり採れていなかったような…採集できたとしても個体数は少なかったと思います。

少なくとも私はこれまでに満腹状態のヒトデに遭遇した記憶はありません。

 

ところが昨日は珍しくモミジガイの仲間が2種類採集できました。

特に左のヒトデは初採集。輻長(中心から腕の先までの長さ)26mmでした。(共に種名は調査中)

 

あいにく、この2個体は貝を食べていないようです。

ところがあらためて採集物を確認してみると、右側と同じ種類で満腹の個体が見つかりました。

胃の膨らみは外見で簡単に分かります(矢印)

おまけにこのヒトデはすでに瀕死…(このヒトデは弱い)

そこでさっそく胃内容物を確認してみることにしました。

胃の中に入っていたのは特徴的で美しい巻き貝。殻高3mmほどでしょうか。

最終的に、胃の中からは3種類7ヶもの巻き貝が見つかりました(1マス=5mm)

採集困難な水深200-300mにいた微小貝なので、珍しい種類が混じっているかも知れません。

【飼育研究部 森滝丈也】

ついに…

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またまた登場 ろむ です。

私が飼育日記に再び参上したということは…

そうです!がっちゃんがついに アシカショーデビュー したんです!!

今日はそのハラハラドキドキしたショーデビューの様子を紹介したいと思います。

今回私は、放送室からがっちゃんを応援!

たくさんのお客さんがアシカショーを見に来てくださってます!!

がっちゃん大丈夫かな??(汗)

「みなさま、大変長らくお待たせ致しました。アシカショーの開演です!」

さぁ、がっちゃんの登場です!! トレーナーのおねぇさんも気になりチラッ(笑)

そして、バランス種目 がっちゃんのバランス種目が上手になったのは、キューピー先生のおかげ…

キューピー先生もしっかりポーズ決まってます!

アシカショー定番種目の輪投げ おねぇさんとしっかり息を合わせて!!

1つ、2つ、3つ…

ダンスタイム☆

がっちゃんもおねぇさんもノリノリ♪♫

最後は、かっこよくハイジャンプ! 決まりましたー!!

 

そして、無事に終了しました。私もひと安心…

これからがっちゃんは女優への道を歩んでいくのです(笑) 私もがっちゃんとこのステージで、

共演出来るように頑張らないと!!

ぜひ、みなさん! 元気いっぱいのがっちゃんに会いに来てくださいね☆

また会える日まで さようなら~

オフショット☆ 「ねぇねぇ、私の技の数々見てくれた??」

ちゃんと見てたよ(笑) がっちゃん、お疲れ様☆ そして、アシカショーデビューおめでとう!!

 

 

 

しゃーないヤツ。

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今日は久しぶりにカワウソくんたちのシフトの日!

しばらくたっていたので、変わっていることも多く。。。

カワウソくんお気に入りのおもちゃが見当たらない。。。

あっ!

発見!

塩ビ管の中に!

ガラスのような青色の綺麗な石?

これがお気に入りなんです!!

でも取ろうとしても。。。

ガッチリはまって動かない・・・

これじゃぁ最近コレで遊んでる姿見ないわけだ!

さっそく取ってあげよう!!

という事で道具を準備!

これで取って渡してあげよう!!

待ってろよ~

貸してみ、おれが取るよ~

と言わんばかりに邪魔してくる。。。

おれだって取れるんだから!

いや、邪魔やって!

しばらく手こずって、やっと取れた~

と思った瞬間・・・

奪い取って走り去るマーボー。

がんばって取ったんだから写真くらいとらせてやぁ~・・・@@;

奪われた時に取れた写真がコレ。

 

相当なハイテンションで奪っていきましたね。

まぁ喜んでくれたなら良かった。

しばらく見ていると・・・おっしゃ離しおった!!

ちゃっちゃちゃーーん!

取れた記念写真!

コレ、欲しかったんやろ?どーぞ!

バッチリ写真撮れました^^

が、

ハイテンションな彼。

しばらく見ていると

おいっ!

またはまっちゃうよ!?

ふりだしに戻る。。。苦笑

 

僕の気持ちとは裏腹に無邪気に遊びまくるしゃーないヤツ。

でもなんか許しちゃいますよねw

カワイイヤツやな。。。

まぁまたガッチリはまったら取ってあげるよ。笑

ヒメセンジュエビを展示しました

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昨日、熊野灘の沖合底引き網で採集されたヒメセンジュエビが入館しました(私が乗った船ではなく別ルートから入手)

センジュエビの仲間は中~漸深層に生息し、熊野灘でも時折採集されます。

形態が特徴的で格好良いエビです。ジュラ紀の化石エビ「エリオン類」に似ていることから、生きた化石と呼ばれることもあるようです。

さっそくへんな生き物研究所で展示開始です。

長い第1胸脚が特徴的ですね。

センジュエビの仲間は第1~4胸脚がハサミ脚になっています。

手をたくさん持つ「千手観音」をイメージさせるようで、ここからセンジュエビの名前がつけられたと聞きます。

この画像だと、ギャルがピースしているようにも見えます(笑)

ふだんの動きは少ないですが、刺激を受けると第1胸脚をのばして防御します!

長期の飼育は難しいと思われます。機会があれば是非へんな生き物研究所に見に来てください!

【飼育研究部 森滝丈也】

イイジマオキヤドカリが入館しました

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先日、ヒメセンジュエビと一緒に、熊野灘の沖合底引き網で採集されたイイジマオキヤドカリが入館しました(これも私が乗った船からではなく別ルートから入手)

さっそくへんな生きもの研究所で展示開始。

面白いのはこのヤドカリが背負うヤドカリスナギンチャク。

スナギンチャクはヤドカリが背負う巻貝の上に付着すると徐々に貝殻を溶かしながら成長していくそうで、最終的にはヤドカリは直接スナギンチャクだけを覆う形になるのです。

スナギンチャクは群体性なので、根元は共肉でつながっています。

共肉から何本ものポリプが林立する姿は、ヤドカリとのコラボでなかなかの「へんな生きもの」ぷり。

へんな生きもの研究所はユニークな生物紹介文が好評ですが、このスナギンチャクを背負ったイイジマオキヤドカリは「まるでキングギドラかヤマタノオロチ…」と紹介しています(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

アジモスズコケムシ?

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ルーティンの合間に見つけると、ときめいてしまうのが内肛動物。

この飼育日記でもちょこちょこ紹介しています。

内肛動物は世界で150種類ほどが確認されているようですが、見つかっていない種類もまだまだ多いそうです。

お互いが細い根っこ(走根)でつながる群体性のグループと一つ一つが独立して生活する単体性のグループがあり、特に私が好きなのは単体性のロクソソマ科の方。

ですが、内肛動物であればそれだけでテンションMAX!!

 

先日も へんな生きもの研究所のオニオコゼを何気なく見ていて、群体性の内肛動物に気づきました(矢印)

探さなくてもふと目を向けた場所にいたりするので、もう、内肛動物に呼ばれている気すらしています(笑)

見つけたのは棘の先端あたり。

小さすぎて画像はボケてしまいました…ご容赦下さい。

どうやらスズコケムシの仲間(Barentsia sp.)のようです。うひょ~!

オニオコゼは生きているので、このスズコケムシの仲間もしばらく様子見…と思っていたら、なんとオニオコゼが急死。

 

死亡を確認した他のスタッフがオニオコゼを処分しようとしていたところに偶然遭遇。

(こんな小さな生物が付着しているとは誰にも知らせていません)

あやうくスズコケムシの仲間も一緒に処分されるところでしたが、セーフ!

ちょ、ちょっと待ってください~!と何とかスズコケムシの仲間を確保(笑)

 

種の確認のため顕微鏡で観察です。

あ…よく見かけるスズコケムシかと思っていたけれど、どうも違うわ、コレ。

動きが全く違う。

スズコケムシは柄部の基部だけに筋肉節があってここを支点にして動きますが(車のワイパーみたいに)この種は柄部全表面に横しわがあり(矢印)柄の上半分をクネッと曲げる特徴的な動き。

色々と調べてみると、どうもアジモスズコケムシという種類によく似ています。

これは初めて見る種類だわ(笑)

でも、アジモスズコケムシだとすると幾つか疑問も。

サイズが少し小型(高さ2mm)だし、触手の本数も少ない?柄部の筋肉節が大きめなのも気になるなぁ(矢印)

そもそもアジモスズコケムシが報告されているのは東北地方だしね。

魚の体表からの発見記録もないんじゃないかなぁ…(でも以前にもオニダルマオコゼの体表でも単体性内肛動物は確認したことがありますが)

とりあえず備忘録(アジモスズコケムシ類似種の確認)としてここに書き込んでおきます。

【飼育研究部 森滝丈也】

安心してください、食べてますよ!

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巷では餌を食べるダイオウグソクムシの動画が話題になっているようですが。

 

それに比べて、鳥羽の個体は…

安心してください、食べてますよ!(笑)

 

10月にも飼育日記でお伝えしましたが、なかなか餌を食べないことで有名になったダイオウグソクムシも、最近は比較的活発に摂餌しています。

現在 飼育中の8個体の摂餌状況は以下の通り。

 

①入館以来餌を食べていない個体は№14のみ。

②№5はあと2ヶ月ほどで前回の摂餌から丸3年が経過するが、今年の4月に誰かがこっそりマグロを食べており、当時の状況から№14か№5の可能性が高い。

③他の6個体は全て過去およそ1年の間に摂餌を確認。

こんな感じでしょうか。

本日も9:30頃に餌(ウルメイワシ2匹 75g)を与えると…イケメン26号が爆買い、でなく「爆食い」開始!

あっという間に2匹を(頭は残しましたが)完食。

写真を撮りましたが、私の指が映り込んでいます…

安心してください、動画も撮ってますよ!

(カメラを動画モードにして記録しました)

画像は私が慌てて撮ったものなので、私の頭が映り込んでしまったのが残念賞ですが…(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】


寒いときには・・・

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皆さんお久しぶりです!

すっかり寒くなってきましたが、まだこたつを出さずに頑張っています、みやもです。

そんな寒い時期にはもってこいのゾーンはもちろん・・・!

奇跡の森(通称:温室)です!

奇跡の森といえば、皆さんご存知スナドリネコさん!(オスのパールくん)

怒ってます!夜はこういった姿も・・・夜行性なので昼間は寝ていることが多いです。

今更ですが、私的に載せるの初めてなのでご紹介。笑

話を元に戻して・・・

夏はお客様からも「ここ暑っっ!!」

と言われる温室もこの時期には「あったかぁ~い」と温度だけで喜ばれてしまうのです。

リニューアルオープンしてから暖かさが増しました!

といってもここに住む生き物たちは基本温かいところが好きな生き物たち・・・

暖房していても多少寒さが心配です。でも・・・

ホシガメも元気!

フトアゴヒゲトカゲも!

アルダブラゾウガメとアカアシガメは綺麗に並んでお眠り中!

みんな鳥羽水族館で過ごす初めての冬です。

外は寒いけどいっぱい食べて乗り切ろうね!

皆さんも寒い時には是非、温室へ!

(寒くなくても来てね!笑)

変わってこちらは水の回廊にいるオシドリとカルガモ。(フラミンゴがいる水槽です。)

うーん寒そう!

そして綺麗に並んでる!笑

皆さんも風邪にはご注意を!

それではおつカピ様でした!

 

ホンダワラコケムシに付着した内肛動物

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魚類の受け取りに出かけていたスタッフが持ち帰った海水の中にホンダワラコケムシの切れ端が浮いていました。

ちなみにホンダワラコケムシは海藻に見えますが「外肛動物」という群体性の動物で、これを見かけると顕微鏡で観察することにしています。

ホンダワラコケムシ自体はごくありふれた種類で、いつも採集に行く鳥羽湾の磯でも簡単に見つかりますが、漁師から魚を頂く鳥羽より少し南下した場所で見つかる個体には私の好きな内肛動物がよく付着しているのです。

今回もすぐに見つかりました。付着する個体数は少なく、今回はざっと見ただけですが1個体だけでした。

ロクソソマ(ロクソミトラ属)です。

この個体で体高0.6㎜ほど。

私の最近の日記はグソクかロクソソマばかりなので、すっかりおなじみ?のロクソソマですが、この仲間は、コケムシとは別の「内肛動物」という超マイナーなグループに属する生物です。

スライドガラスに挟みこんで顕微鏡で観察。

ロクソミトラ属の一種 正面(100目盛り=0.8mm)

背面

実は、去年も同じ時期に同じ場所で採集されたホンダワラコケムシにこのロクソソマ(ロクソミトラ属)の付着を確認しています。

ところが、水族館のすぐ近くの鳥羽湾の磯で採集されるホンダワラコケムシを探しても全く見つからない…

何故だろう?

で、それを解明する手がかりはないかと、また同じ場所のホンダワラコケムシが手に入ったら、ロクソソマを探してみようと去年からずっと思っていたのです。

…まぁ、自分で採集に行けば手っ取り早いのですけど。

今回、観察してすぐに複数個体が見つかったので、やはりこの場所に生息するホンダワラコケムシにはロクソソマの仲間が高確率で付着しているようです。

鳥羽湾とホンダワラコケムシの生息環境が異なるためにロクソソマが付着するのかもしれません。

 

このホンダワラコケムシには群体性の内肛動物も付着していました(種類は不明)

ちなみに…これは、秋頃の没ネタでしたが復活させました。備忘録として。

そして、今、時間を持て余しているので(笑)

 

これから棘皮動物の研究集会に参加してきます。

以上、茨城県の水戸に向かう特急ときわ号車内からお伝えしました。

【飼育研究部 森滝丈也】

安心してください

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今年はこのフレーズが流行語になると思っていたのですが…^^

さて、『古代の海ゾーン』には、魚たちのほかにもこのコーナーならではのモノが展示されています。

それは…化石です。

床に、はめ込みで大きなアンモナイトや魚の化石を展示しています。

場所は…チョウザメやサメの水槽前です。

もちろん踏んでも大丈夫です。強化ガラスを使っています。

でもね…ここでお客さんの様子を見ていると、おそるおそる乗っかる人やガラスの上を避けて歩く人の姿もよく見かけます。

お客さん!

大丈夫です!安心してください!

私が踏んでも大丈夫!

はい!全身乗りました~安心してください!割れません!

次回お越しの際は、ぜひ足下の化石もよく見てくださいね~

 

 

ヤマトエバリアを展示しました

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先日の土日は休みを頂き、茨城県まで出かけて棘皮動物研究集会に参加してきました。

棘皮動物研究集会はヒトデやウニ、ナマコやウミユリ、クモヒトデ…棘皮動物を研究対象にしている研究者や学生さんたちが集う学会です。

水産、古生物、遺伝、進化、生態、分類などなど…水族館の集まりとは少し毛色が違って、アカデミック色の濃い会ですが、水族館の業務のヒントになる情報を得ています。

今回は出張ではなかったのですが(この研究集会の前に大洗水族館さんを見学し、翌日も茨城県自然博物館の企画展を見に行き…と研修旅行以上に研修っぽい行程でしたが)私は水族館や博物館は研究者と一般の方の間に立って生物の魅力を橋渡しする/できる施設だと思っているので、こういう会には積極的に関わっていきたいと考えています。

それにしても…(余談ですが) 昼食に食べたスリランカカレーと懇親会で出た地ビールがとても美味しかったです(笑)

 

…など書きつつ、今回紹介するのは棘皮動物ではなく、節足動物のカニ!

熊野灘の沖合底引き網で採集されたヤマトエバリアです。

コブシガニの仲間ですが、サイズが小さいので(甲幅6mm)なかなか採集できず目にする機会は多くないようです。

今回は2匹入館。

さっそく(ガラス容器に入れて逃げ出さないようにして)へんな生きもの研究所のアパート水槽で展示開始。

 

…先ほどオキアミを与えたら、2匹ともしっかり食べていました。

小さなカニですが拡大して見るとなかなかきれいですね。

ちなみにエバリアとはこのカニの仲間Ebalia属から名付けられたもののようです(意味は不明)

【飼育研究部 森滝丈也】

カイメンと共生するムシモドキギンチャクを展示しました

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以前、飼育日記で紹介したカイメンと共生するムシモドキギンチャク。

2013年に鳥羽の安楽島で見つけて、最近になって水族館前でも生息を確認。

マボヤの体壁に付着したカイメン中に見つけた…と書き込みました。

こちらがそれ。

研究者に問い合わせたところ、今回のものも含めて鳥羽のものはこれまでに採集報告のある2地点(神奈川県と新潟県)と同種らしく、華奢な触手が特徴。

ところが、今回は同時に別のマボヤの体壁に少し違う印象のムシモドキギンチャクを確認したのです。

こちらがそれ。

とりあえず、観察しやすいようにへんな生きもの研究所のアパート水槽(タコノマクラ水槽)に移動させました。

見ると、以前のムシモドキギンチャクとは触手の印象が違います。

共生しているカイメンも違う種類のように見えますが…

はっきりしたことは今後の研究に期待したいところです。

共生するカイメンによってムシモドキギンチャクの形態が変化する可能性も…あるかも

【飼育研究部 森滝丈也】

ゴシキエビの居住環境を考える

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水槽に岩を入れてレイアウトを組むことがあります。

「岩を組み上げる」ただそれだけなんですが…これがスタッフのセンスが如実に出てしまうんですねぇ。

美的センスといいましょうか? はたまた心地よい空間を作り出す力といいましょうか…?

人が見て違和感を感じないようにするのも大切ですが、

なによりも生きものが気に入ってくれないといけません。

コーラルリーフダイビングゾーンの個水槽に「ゴシキエビ」を飼育しています。

ぴーんと伸びた触覚がカッコイイですねぇ。

本来、イセエビの仲間は夜行性ですから、水槽は暗い方が良いのですが…展示のため照明をつけています。

ゴシキエビにしてみれば明るい環境でしょうから、岩でシェルターを作ってあげることにしました。

じゃん!

は~い、入りませ~ん。う~~む…悩

何かがちがう…

自然の海でイセエビを見かける所は、岩のすき間や穴の中…

となると…もっと狭く(天井を低く)してあげたほうが良いかも???

これならどや?

お~~~入ってくれましたがな!

やっぱり高い天井よりも低めの天井がお好みのようですね。

すぐに入ったみたいに紹介していますが、実はかなり日数が経っています。

その間、あ~でもないこ~でもないとゴシキエビの好みのお住まいを考えておりました。

入らないときは、ず~っと水槽の隅っこにいてました…

なので、こちらが思ったように入ってくれたときは、嬉しかったですね。

今後もゴシキエビの好みのレイアウトをさらに探って行こうと思います。

もし、ご来館の際にゴシキエビ君が岩陰に入っていなかったら「この物件はダメやな」と思ってくださいね。

さ、次も頑張って組み上げます~^^

 

 

 

 

 

ユミヘリのシダムシ

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三重県、熊野灘の沖合底引き網漁船に乗せていただき、生物採集に出かけています。

今年は色々とミッションがあり、月1ペースの頻度。

 

展示生物の採集はもちろんですが、目的のひとつはシダムシ探し。

ここでもたびたびお伝えしていますが、シダムシはヒトデに寄生する甲殻類(フジツボに比較的近縁)です。

国内では7種ほどが報告されていますが、まだまだ知られていない種もいるはず…

 

今年は深海(漸深帯)に生息するゴカクヒトデの仲間、ユミヘリゴカクヒトデにシダムシの寄生を初めて確認しました。

ピンクのものがシダムシ。ヒトデの体腔のほとんどを占めています。

こちらはさらに大きなシダムシ。黒いものがヒトデの内蔵。

今は、シダムシの追加標本と寄生状況確認のために(あわよくば展示も視野に…)乗船しているのですが…

ユミヘリゴカクヒトデは9月に採集したきりで、10月、11月は空振り…採れません。

9月とそれ以降の回では漁をおこなった海域が違っていました。そのせいかも知れませんが、たぶんもう少し深い場所に生息するんでしょうね、ユミヘリゴカクは。

10月と11月は、そのひとつ手前の深さで網を引いていたからでしょう。

 

ユミヘリゴカクヒトデ、今回のものと9月に採集した計10個体を解剖した結果、シダムシが寄生していたのは6個体でした。

今のところ、寄生率は60% 意外と高そうです。

シダムシの枝分かれした外套の中には卵が詰まっています。

美味しそうなので、少し食べてみましたが…生臭かったですね(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】


ヒメヒトデの仲間からスイクチムシ!

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昨日、飼育日記にシダムシの話題を書き込んだ直後。

沖合底曳き網で採集したヒメヒトデ属の一種(Henricia sp.)の異変に気がつきました。

…肛門から何かが飛び出ている!

もしかしたら…シダムシがお尻の穴からコンニチワしているのか!?

…な~んて妄想です(笑)

実際はこのヒトデからはシダムシは見つかっていないですし、こんなふうにコンニチワする習性なんて知られていませんから。

 

で、今朝。

肛門からの突出物はさらに大きくなっていました。

ヒトデも体が崩れ始めていました。…どうやらこれは消化器官(幽門盲嚢)、つまり脱腸ですね。

ヒトデの死亡を確認後、とりあえずシダムシ探しのため解剖。

…やはりシダムシは見つかりません。

んがっ!ちょっと待て!スイクチムシがいるじゃないですか!(矢印)

どひゃぁ!

これはおそらく初記録では…

スイクチムシ…それは主にウミシダで見られるパラサイト(寄生生物)

一般にはあまりなじみがない生物かもしれません。

見かけからは想像つきませんが、実はゴカイやミミズ、ヒルなどと同じ環形動物の一員です。

170種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に外部寄生していますが、ごく一部(12種ほど)がヒトデ、クモヒトデ類から報告されているそうです。

 

日本近海からは漸深帯に生息するヤマトホシヒトデの内臓(幽門盲嚢)に寄生するスイクチムシの一種(未記載種)が知られています。

私も最近、水深200m~で採集したウデナガゴカクヒトデの幽門盲嚢からスイクチムシを見つけてました(これも知られていない種だと思われます)

 

そんな珍しい、ヒトデに内部寄生するスイクチムシ。

少なくとも日本近海のヒメヒトデの仲間からは初記録だと思われます。

もしかしたら熊野灘から第3種類目の発見!(になるかも)

 

腹側から見ると、ポッテリとした口がカワイイ。

ムニムニ動くのでカバーガラスで軽く押さえてみます。

平らな体の両側に5対の「いぼ足」があり、その先端には剛毛が。

黒く小さく見えるのが、いぼ足の剛毛。

 

拡大。

いぼ足先端の剛毛でヒトデの内臓(幽門盲嚢)につかまるようです。

小さないぼ足の動きに萌えます(笑)

今はスイクチムシまで手を広げるわけにはいかないのですが、貴重な標本として取っておきます!

【飼育研究部 森滝丈也】

こんな私もよろしくです!

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1ヶ月ぶりです。たっけーです!

スナドリネコのメスの紹介をしなければ!ということで、、、

ひょこっ

この子がメスのパールちゃんです!写真の写り具合から分かると思いますが、、

そう、シャイガールなんです。笑

お客さんが多い時でも飼育係をすぐにみつけて、よく天井近くの柱の上からじーっとこっちを見ていることが多く、狭いところが落ち着いて好きみたいです。

最近は昼間でも下に降りてきている事があるので見ることができればラッキー!

是非可愛いパールちゃんにも会いにきてください~

 

ではでは、にゃー!

 

ミッション【やらねば】

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そろそろやらねば…やらねば…やらねば…と思っていた水槽掃除。

閉館後に着手しましたっ

場所は…

キイロハギの水槽~!あらだいぶと写り込んでますね…すみません。。。

ボンベを背負う空間がないので、水槽内の水をある程度抜いて掃除をします。

水槽の厚さがない=中に入ると回転できない。

というワケで前面のガラスを掃除したら、いったん外へ出て方向転換。

そして~向きを変えたら再び水槽へ…てな具合です。

水槽の中にいるときの状態は、例えるなら…

ニュースで見かける【壁に挟まって救助される少年】状態

はい、これ水槽内部から見上げた写真です。

この狭さ分かっていただけますか?

肩を回せない=両手を使えないので、片手で交互にガラスを磨きます。

狭いながらも悪戦苦闘しながらミッション完了!

這いあがるのに苦労しましたが、これでしばらくは入らなくて良くなりました。

といいつつも、館内のあちこちに【やらねば】がまだたくさん残っているんですがねぇ…

ま、今日のところは「よし」としますかっ!

忙しい時ほど…スイクチムシ

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師走もすでに中旬…イベントの準備などで慌ただしい毎日です。

そんなときほど関係ない作業に熱が入ります。

どうも忙しいときほど複数の仕事を抱えると、はかどります!…いや、そんな気がするだけですね(笑)

 

…そんなわけで、一昨日紹介したスイクチムシの続きです。

ヒメヒトデの一種の体腔から見つけたスイクチムシ(おそらく未記載種)

あまり良い画像ではありませんが、大きさは幅3mmほど(腹側から撮影)

アルコール固定したら、ぽってりとした口が一際目立ちます。

なかなか可愛いです。

こちらはウデナガゴカクヒトデの体腔にいたスイクチムシ(これもおそらく未記載種)

ヒメヒトデのスイクチムシと比較しようと、アルコールで固定したものを昨日はじめて観察しました。

こちらです。

気になったのは、口の位置。

体軸ではなく文字盤でいえば1時のあたりにあるように見えます。いぼ足といぼ足の間にある吸盤と見間違えているかもしれませんが、気になります。

非対称な位置に口を持つ種類なら、興味深いのですが…

サンプルを集めねば!…って、忙しいのに(笑)

 

(追記)2012年から始まった新・飼育日記。

この3年間で私は581話、書き込みました。年内で600話目指します(ほぼ毎日更新しなくては)

忙しい時ほどネタには困りません!

【飼育研究部 森滝丈也】

ヨツアナカシパンを展示しました

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餌の活エビが入ったカゴの中にヨツアナカシパン(ウニ)を見つけました。

いわゆる「混じり」です(商品として購入したものではありません)

これは もうけもの(笑)

さっそくへんな生きもの研究所で展示しなければ。

へんな生きもの研究所のアパート水槽の一つにぴったりの同居人がいます。

ヨツアナカシパンの背後に見えていますね。

カンの良いお客様(へんな生きもの研究所好きの方)はもうお気付きかと思いますが…

同居人はスベスベマンジュウガニです!

ヨツアナ「菓子パン」と スベスベ「饅頭(まんじゅう)」ガニ

まさかのスイーツコラボです(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

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