Quantcast
Channel: 鳥羽水族館 飼育日記
Viewing all 4697 articles
Browse latest View live

デジャヴ!?

$
0
0

 

 

カリフォルニアアシカの男の子

リオ(1歳)ですが、最近トレーニングが終わって私が掃除しに入っていくと…

 

 

こんな顔をして待ち構えているんですよ。笑

 

しかも、前あしをガラス面にブラーんとさせて。笑

触ってほしいんかな~?と思ってちょんちょんと触ると「ヘッ!」と鳴いて

ちょい怒り気味やし。。

なんだ~触って欲しいわけじゃないんや~と思って歩くと泳ぎながらついてきて

再びこのポージング(笑)

 

 

え!?なに!?と怒られる覚悟で、もう一度ちょんちょんすると今度は怒らず。

触って~と言わんばかりにずっとブラーん状態。何を考えているのだろうか…..

 

と掃除を始めようとした時、私は思い出しました。

そういや、前もこんな感じのあったな。と

ミナミアフリカオットセイの男の子いとです。当時2歳でしたが、その時もこんな顔して待ち構えられてたなと。

 

アシカの子供は小生意気が多いのか!?もしくは私が担当している子だけ!?

そういや私、ちっちゃい幼稚園生とかにもめっちゃバカにされるタイプやわとか考えてました。笑

 

でも、生意気だから可愛かったりするんですよね。

 

こんな顔されると憎めないやつやな~と思った今日でした☆

 

 

 


ツノモチダコとニハイチュウ

$
0
0

底引き網で採集したツノモチダコをへんな生きもの研究所(ヌタウナギ水槽)で展示しました。この種類にしては小型個体でなかなかかわいい。

目の上の棘状突起がどこか小悪魔チックです(ハロウィンだし)

実は、このツノモチダコもそうですが、タコやコウイカ類の腎臓中にはニハイチュウという寄生生物が見つかります。

ニハイチュウは体長数百μm〜数mmの小さな生物。

種特異性があるので寄主(タコ・コウイカ類)ごとに異なる種類が見つかります。

寄主ごとに異なるニハイチュウの顔ぶれを見比べるのは面白いですね。

 

これは以前確認したツノモチダコで見つかった新種と思われるニハイチュウ(トバニハイチュウの仮称がついています)

さて。

底引き網採集では、研究者の依頼でこのニハイチュウを調べるためにタコとコウイカ類のサンプリングもおこないました。

(深海のタコやコウイカ類にはまだまだ知られていないニハイチュウの仲間がウヨウヨいます)

対象のツノモチダコは食用として捕獲されるので、いくつか分けて頂きました。

 

そして昨日。

研究者が水族館に来館し、採集したタコとコウイカ類を解剖して腎臓に寄生するニハイチュウをサンプリング。

個体数が多かったので、解剖とサンプリングに2時間ちょっとかかりました。

新種を記載するためにはそれぞれの成長段階、2種類いる幼生の形態も押さえないといけないので、タコの標本も数多く必要になります。

やはり漸進帯、深海性のタコは入手しにくいそうなので、ニハイチュウ研究のために水族館も可能な限り協力していきたいですね。

 

実は、このツノモチダコのうち1つは私が漁師さんからおみやげ(食用)としていただいたもの。

サンプル数が多い方が良いだろうと、食べずに試料提供したのです。

 

腎臓と組織の一部だけをサンプリングして、あとは処分したわけですが、少しでも食べてあげればよかったかな…などと思いながら帰宅しました。

夕飯は底引き網で獲れたノドグロの塩焼き(和名アカムツ)でした!これもおみやげでいただいたもの。

こちらはたいへん美味くいただきました。ごちそうさま。

熊野灘に感謝です。

【飼育研究部 森滝丈也】

お願いっ

$
0
0

パンフレットなどに登場する、この写真

メイちゃんの可愛い写真ですが、この手のひらを合わせたポーズの合図を知らないなぁと思って

先輩に聞いてみたら、なんとこの写真は「たまたま撮れた」と。

え?じゃあ、この写真って奇跡の1枚では!?とビックリしました。

 

それなら、合図で出来るようにやってみよう♪とトレーニング開始です。

ラッコの握手は、飼育係の片手をラッコの両手で挟んでくれる形。

その握手から私の手を引き抜いたら出来るかな?と思っていましたが

メイの握手は力一杯。

しっかり私達の手を握ってくれる握手なので、爪が出てます(^_^;)

(ラッコの前脚の爪は出し入れ自由。力が入ってると爪が出てきます)

手を引き抜こうとすると、ますます爪を立ててきて、痛い痛い!

そんなこんなで完成した「お願い」ポーズ。

写真を撮ってもらったので見て下さい☆

可愛い~♡

立ち上がっても出来ます!が・・

なぜか口を隠すような感じになっちゃう・・・が、これもまた可愛い(*^_^*)

可愛い、可愛い~と、撮ってもらった先輩と、写真を見ていたのですが、この写真

五郎丸・・・?

この写真、結構がっちりして見えるせいなんですかね?

流行のあのポーズに見えてきます。

もう、いっそ合図もあのポーズにしてみようかな~(^_^;)

 

 

 

 

またしてもユミヘリのシダムシ

$
0
0

昨日、業者から深海性のヒトデが届きましたが、発送時に既に弱っていたようで水族館到着時には死んでいました。

いつもならそのまま捨ててしまいますが、このヒトデ(ユミヘリゴカクヒトデ)にシダムシが寄生することに気が付いたのでこれからは簡単に捨てるわけにはいけません。

シダムシ調査です。

さて、寄生しているでしょうか…

ひとつづつ切開。

3個体目にシダムシが入っていました!

ヒトデ内部にいる姿を初めて確認しましたが、シダムシの枝分かれした外套はヒトデの腕に沿って伸びているようです(赤い部分がシダムシです)

取り出してみました。

このユミヘリゴカクヒトデのシダムシは体色が奇麗なピンク。

宝石サンゴのような雰囲気のなかなかの美シダムシです。

拡大。

これでエビ・カニと同じ甲殻類(フジツボに近縁)なのですから不思議です。

今回の個体でこれまでに確認したユミヘリゴカクヒトデは7個体。うちシダムシが寄生していたのは4個体です。

寄生率はただいま57% 意外と高そうです。

五郎丸ポーズ…?できません(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

 

成功させるには?

$
0
0

はい、どーも!おーきたです!

 

クマノミがまたもや産卵しました。

 

これで5回目のチャレンジとなります。

 

失敗して、いじけていても仕方ありません。

 

根本的に経験不足なおーきたにとってはいい勉強になります。

(実は結構凹んでますが・・・)

 

クマノミの育成は簡単だと言われてますが、おーきたにとっては難しいです・・・

 

どうすれば・・・

 

とりあえず!4回目の稚魚の回収ですが、

この装置を用いて稚魚を回収した結果、取り外して回収する際に、ほとんどの稚魚が流れていってしまいました。

 

結果回収できたのは10個体ほど、回収の動作も雑になってしまい、稚魚が弱ってしまいました。

 

わかったことは、稚魚のダメージを少なくする精密な回収動作が必要なことと、稚魚水槽の準備ができていなかったことと勝手に推測。

 

じゃじゃーん!!!!!

 

クマノミ稚魚のための水槽。

 

初期餌料でワムシを与えるつもりです。

 

以前、生き残りの稚魚に孵化したブラインを与えてみたのですが、つついている行動は確認したものの、食べているかは微妙やったんで

 

もっと小さいワムシからあたえてみようと考え中です。

 

精密な回収の件は、・・・・もう僕が夜な夜な水槽に潜ることにしました。

 

4回目と同じ装置を使い、全ての卵が孵化するのを待ち、僕が潜って慎重に回収→収容→餌投入

 

できるだろうか?いやいや、やってみましょう。

 

失敗するかも・・・いやいや頑張ります。

 

クマノミ水槽を見たいと言ってくれた子供達のために!キラッ☆

イソギンチャクの配慮なのか?(笑)

$
0
0

おーきた君の飼育日記にあったように、またカクレクマノミが産卵しました。

今度こそおーきた君には成功してもらいたいものです。

 

さて。

この水槽のガラス面に張りついたセンジュイソギンチャク(センジュ真理子さん)はずっとほとんど位置が変わることはなかったのですが…

今回の産卵の数日前から少~し下方へ移動しはじめました。

水槽上面から稚魚回収装置を取り付けるおーきた君の手の届かないよう、移動したのかしらん(笑)

画像は産卵翌日の様子。

孵化間近に迫った昨日はさらに移動して…

もうすでに卵は置いてけぼり(矢印)けなげなカクレクマノミはイソギンチャクから出張して世話しにきていました。

これは、今回は潜って稚魚回収する予定のおーきた君が作業しやすいよう、イソギンチャクが気を遣ったのでは…?(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

 

ホワイトダムゼルの卵

$
0
0

先日書き込んだホワイトダムゼルの卵の近況です(仮名“丸山くん”が保護している卵)

産卵当日

見る見るうちに発生は進んで、3日後にはもうこんな姿。

で、昨日。

どうなったかな?と水槽をのぞくと…

ぎえ~!ヒトデ(コブヒトデモドキ)が覆い被さっています(食べられている?)

とりあえずヒトデはそのままにしておいて、周囲の卵を確認すると…かなり発生が進んでもうすぐ孵化しそうな様子。

そして今朝。

水槽を見るとすでに卵は無く、ネスト(巣)の掘り返しも無くなっていました。

昨日の状況から消灯後に孵化したと思われますが、ヒトデに襲われていなかった卵は無事だったのでしょうか…

…と言っても水槽内なので、回収しないと育ちませんが。

ともあれ、ホワイトダムゼルはこの水槽(水温25-26℃)では丸6日で孵化することがわかりました。

これはいつの日か稚魚を回収するときの基礎データになるはずです。

【飼育研究部 森滝丈也】

ヒゲウミシダのスイクチムシ

$
0
0

ウミシダ類最大級種ヒゲウミシダも南限である熊野灘の個体は腕長10cmほど。

むしろ小さなウミシダといった印象。

先日の漸深帯底引き網採集で1個体だけ採集してきました。

んが、調子を崩して本日死亡…このウミシダはなかなか長持ちしませんね。

 

さて。

そんなヒゲウミシダの腕を見ていて、なにやら気になるものが…

矢印のあたり。羽枝になにか付いている…

ダメだぁ、手一杯なのにこんな面白そうなものはすぐ目に入って気になってしまう~

たぶんスイクチムシの仲間じゃないかなぁ。気になるので採集して顕微鏡で観察します。

取り外して顕微鏡で観察すると、やはり!スイクチムシの仲間です。体長4mmほど

面白いのはこの個体は二つ折りのクレープみたいな姿をしていたこと。あるいはタコス。

論文を探してさっと読んでみましたが、どうやら この形からするとEndomyzostoma属の一種のよう。

こんなタイプのスイクチムシは初めて見ました。

スイクチムシの仲間の形態は多様性に富んでいて面白いですね。

 

最近の飼育日記でもハナウミシダに内部寄生性スイクチムシ(のコブ)を見つけた、と書き込みましたが、スイクチムシはウミユリやウミシダに寄生する生物で、こう見えてもゴカイなどと同じ環形動物。

よく目にするのはペラッと薄いタイプで、ウミシダの体表を滑るように動き回ります。

例えば、こんなマトスイクチムシ(?)みたいな。

以前は、その特殊な形態から独立したグループだと考えられてきましたが、最近の研究では寄生生活で形態が特殊化したゴカイの仲間と考えられているようです。

一般的にあまりなじみがない生きものですが、熱帯の浅海に棲む種類はカラフルでフォトジェニックなものが多く、ダイバーの被写体として意外と人気があるようです。

【飼育研究部 森滝丈也】


ヤマトゴカクヒトデのスイクチムシ

$
0
0

先日、水槽で死んだ深海性のヤマトゴカクヒトデを回収しました。

シダムシ探しのため、ヒトデはひとまず解剖をして中身をチェックすることにしています。

おそらくこのヒトデにはシダムシは寄生していませんが、代わりに珍しいアイツが寄生しているかも。

それはスイクチムシ。

…まさかのスイクチムシ・ネタ2連投です。そろそろ誰かに怒られるかもしれません(笑)

 

実は、スイクチムシの仲間は世界から150種ほどが報告されているそうですが、そのほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生するもの。

わずか12種類ほどがヒトデ類・クモヒトデ類に寄生し、このヤマトゴカクヒトデの内臓(幽門盲嚢)にもスイクチムシの一種が寄生することが知られています。

でも私はまだ実物を見たことがありません。

最近、このスイクチムシの存在を知り、いちど見てみたいと思っていました。

 

解剖してすぐに見つかりました!

あっけないほど簡単に。

ウミシダに寄生するものとは異なる印象。

体内に寄生しているからでしょうか、妙にやわらかい、と言うか ゆるいゼリーのような質感。

 

こちらは腹側からみた画像。

炭火で焼いたら美味しそうな…

レバ刺しにも似ています。

結局、見つかったのは1匹のヒトデから4匹のスイクチムシ!(もう1つのヒトデはハズレでした)

嬉しくて思わず手のひらに並べてみたり…

あ、これ、私が口から吐き出したものではありませんから(笑)

こんな姿をしてゴカイの仲間だとは…スイクチムシも本当にへんな生きものです。

【飼育研究部 森滝丈也】

ニシキエビが抱卵しているようです

$
0
0

夕方、水槽の岩陰に隠れるニシキエビに気が付きました。

そうです。

先月26 日の潜水時にまとわりついてきた、あのニシキエビです。

その時は卵を抱えていなかったのですが…今日見ると、どうやら腹に卵を抱えているようです。

岩陰に隠れて画像では判りにくいですが。

やはり、水槽掃除中、私の脚を執拗にハグしてきたのは産卵行動だったようです。

去年も同じ行動の後に産卵を確認しています。

この水槽のニシキエビは長期間単独飼育しているので、卵は未授精のはず(前回も孵化せずに腐敗)ですが、2年連続で行動変化のあとに産卵したのは興味深いですね。

(ニシキエビの産卵は年1回なのでしょうか)

【飼育研究部 森滝丈也】

脱皮しました

$
0
0

朝の見回りでイセエビの脱皮殻を回収しました。

水族館では、イセエビやザリガニなど脱皮する生きものはたくさんいるので、脱皮殻はそんなに珍しくはないのですが…

今日、回収したのは、ちょっとレアものでした。

も1回いいますけど、脱皮殻です^^

よぉく見てください!右の触角(第2触角)を!

3本に分かれているです!

さらにズームイン。

なんでこんな触角になってしまったかは神様のみが知るところでしょうが…

無事に脱皮できたんでしょうか?

殻だけみるとキレイなのですが、体を抜く時に邪魔になったりしていなかったのでしょうか?

うん、とにかく捜索せねばっ!

本人(本エビ?)は、どこかと思って水槽を探してみましたら…

いました!

目印になる触角だけを海藻の中から出して

「はい、無事に脱皮できましたよん♪」

と、触角をフリフリ

というワケで…伊勢志摩の海ゾーンでこっそり展示中です~^^

20回目の秋

$
0
0

食欲の秋です。

今頃の季節から春先までマナティー(特にかなた)の摂餌状況が好転します。
夏は、餌の状態が悪く(マナティー自体の生理的なサイクルもあるのかもしれませんが)なかなか摂餌量が増えません。

先日もホント気持ちが良いぐらいの食べっぷりでした。
餌は主に牧草ですが、まだ状態が悪いので、よく食べていたのはロメインレタス。

シーザーサラダには欠かせない、アレですね。私も好きです。

水面でレタスを受け取り…

プールの底で食べます。前肢で押さえる姿がカワイイ!

もりもり食べる姿は見飽きませんね。

 

下画像はギニアビサウの畜養プールのかなた(1996年)

水を抜いて治療中です。

驚かせないよう目隠しに使った黒布は私のTシャツでした。

アフリカマナティーのかなた、日本で迎える20回目の秋です。

【飼育研究部 森滝丈也】

ミョウガガイの殻標本作り

$
0
0

前回の飼育日記でアフリカマナティーのことを書き込んだら、他の担当者から「らしくない。フツーすぎる」と評判がいまひとつ…。

やはり私はへんな生きもののイメージが強いのでしょうか(笑)

 

さて。

へんな生きもの研究所で展示していたミョウガガイが死んでしまいました。

ミョウガガイは深海性のエボシガイ(フジツボ)の仲間です。

中身はすでに痛んでいましたが、取り出すとこんな感じ。

柄の部分は肉が詰まっていてソーセージのようです。甲殻類なのできっと美味しいはず。

機会があれば新鮮なものを食べていたいものです。

以前から、殻の雰囲気が好きだったので、殻だけ標本として残すことに。

肉を取り除いたあと、内側を歯ブラシで掃除します。

内側、良~し!!

殻の表面も掃除して陰干しすればオッケーです。

古代生物のようで、なかなか格好良いんじゃないでしょうか。

【飼育研究部 森滝丈也】

オオベソオウムガイのストレッチ

$
0
0

昨晩は宿直でした。

夜の巡回時間、9:30頃にオウムガイ水槽の前を通りかかると…オオベソオウムガイが軟体部をそり返していました。

№88ですね。

№82と№84がまとわりついています。

この行動は夜間に、たまに見ることができます。

こういった軟体部を伸ばす行動は、一説には殻の中の仕切り(隔壁)を作るときに見られるとも言われますが…

このオオベソ達はすでに成体なので隔壁を作ることはないはず。

何か他の意味があるのかも知れません。

同居個体がオスばかりなので発散できずに興奮しているのかも知れません(笑)←確証なし

【飼育研究部 森滝丈也】

あぁツノモチダコ…

$
0
0

先月29日に南伊勢町沖、水深200mで採集されたツノモチダコをへんな生きもの研究所で展示していました。

展示に適した、なかなかかわいい小型サイズ。

 

ツノモチダコは目の上に大小2本の突起があることからその名が付いたようですが、この個体はいつも突起を長く伸ばしていましたね。

健康状態が良かったようです。

突起と大きな目がかわいいですね。

水槽に搬入してから1週間。

ずっと状態良かったのですが、餌は食べていませんでした。

 

先日の金曜日。入館後2回目の餌を与えてみました。

1回目とは打って変わり、餌のムキアサリとキビナゴにすっと腕を伸ばしてきて自発的に受け取るじゃないですか!

いやぁ反応良好!これは飼育は案外簡単かも…

この日の午後には、先日ツノモチダコの解剖(ニハイチュウの調査)をおこなった研究者からひとまずの観察結果についてメールが届いていました。

それに加えて、ツノモチダコに関して興味深い指摘(実験依頼)もありました。これに関しては生態観察が必要。

水族館の得意分野です。

メールを読みながら、こんなに状態が良けりゃ、生態観察もうまくいき新知見も得られるかもしれないな…と浮かれていたのですが。

 

その日の夜は宿直でした。

夜の見回りで水槽をのぞくと…あれ?ツノモチダコが倒れています。

昼間の元気な様子を目の当たりにしていただけに、状況が呑み込めず、もしかして夜間はこんな風に「爆睡」するものなのかもしれない…と思ってしまいました。

朝になると目覚めるかもしれない…そんな淡い期待を込めつつ、そのまま放置してみましたが…

翌朝も倒れたまま…やはり死んでいました。

 

ひとまず解剖して確認しましたが、突然死した原因はわかりませんでした。

素嚢(そのう)は餌で満たされていて、胃にも少量餌が送られていました。

※素嚢…消化に先立って餌を一時的に貯蔵しておくための器官。

 

餌が原因だったのか?食べすぎたのか?餌の種類が合わなかったのか?

とりあえず備忘録として記録しておきます。今回は残念な結果でしたが、経験の積み重ねがいつの日か良い結果につながるように。

【飼育研究部 森滝丈也】

 


ちょうど2年

$
0
0

たびたびお伝えしているオオベソオウムガイの発生状況です。

ついに…今日か明日には孵化しそうです!

 

昨日から今朝にかけて大きな変化がありました。卵黄(矢印)がかなり縮んだのです。

昨日の同時刻と比較するとその差は歴然。

24時間でここまで縮むとは驚き…。

この卵黄がもう少し吸収されると孵化します(最後はポロッと脱落します)

ちなみに胚はこの矢印の方向から観察しています(画像は別の胚)

思えば、ニューカレドニアにオオベソオウムガイ採集に行ったのがちょうど2年前。

ちなみに、なぜか私は踏ん張っていますが、この時は作業は特に何もしていません…

ふくらはぎ だけが仕事しているかのように主張していますけど(笑)

現地の水族館スタッフがオオベソオウムガイのトラップを引き上げている間、私はロープの整理。

このあと日本に連れて帰って水槽に搬入。

しばらくして交接、産卵…そして搬入から14ヶ月後、雌が最後に産んだのが今回のオオベソオウムガイの卵だったのです。

産卵から孵化まで10ヶ月…ニューカレドニアの採集からちょうど2年ですね。

長かったような短かったような…

 

採集から次世代の繁殖まで観察を続ける機会はそう多くはないので(私はオウムガイ類では今回が初めてです)今回の孵化は特に楽しみにしています。

【飼育研究部 森滝丈也】

だいたい2年。

$
0
0

だいたい2年。。。発想から完成までの期間です。

われながら仕事遅いので、直さなければです@@;

 

入社前、生き物好きの私でも、

ジュゴンといえば。。。。

鳥羽水族館にいる。アマモを食べる。

ジュゴンは大きい草食動物で沖縄にもいるゾウに近い仲間。

ザックリとこのくらいの知識でしょうか。

入って1年目はまだジュゴンに関する知識や担当しているジュゴンのことなど

まだまだ未熟で、お客さんに上手く説明するのもおぼつかなかったと思います。

担当になってしばらくした時に、ジュゴンを見ているお客さんを観察していると、

「ジュゴン大きい~。」

「さっきジュゴンいたよね?」(マナティー?)

「口元なんだろ~?舌かなぁ?」

「1頭でかわいそう・・・」

などなど。

私がジュゴンを増やしたいと言っても簡単に入手できるわけもなく、

できる事はなんだろう?

やっぱり今いるセレナを見てもらって

もっとジュゴンについて知ってもらうことじゃないかなぁ。と

 

ジュゴンのことをもっとたくさんの人に知って欲しい。

ジュゴンの解説板をつくりたいなぁ~

と思っていたのが2年くらい前の事です。(だいたいですw)

 

ジュゴン好きならどんな展示物でも読んでくれるかもしれませんが、

普通にデートで来てるお客さんや家族連れの方にも

興味を持ってもらいたい。

という事で、簡潔に分かりやすく作ったつもりです。

あるのはHコーナー!

左側:ジュゴン水槽  正面:Hコーナー入り口  右側:解説板

(奥から入り口側を撮影しています)

解説板は、Hコーナー入り口側(メインストリート側)の壁です!

文章での説明はなかなか難しいので実際Hコーナーへ来て

見渡してさがしてください^^

 

完成して嬉しかったので写真とってもらっちゃいました!

すこしでもたくさんのお客さんに見てもらって、ジュゴンという

生き物について知ってもらいたいです。

 

たくさんの方に協力して頂いて完成しました。

文字や文章の直しなどいろいろご迷惑おかけしましたが、

H係長、W部長などなど、みなさんありがとうございました。

 

セレナと解説板を見に来てくださいね!^^

 

ウデナガゴカクヒトデのスイクチムシ

$
0
0

スイクチムシ…それは主にウミシダで見られるパラサイト(寄生生物)

一般にはあまりなじみがありませんが、意外と一部のダイバーには被写体として結構な人気があるようです。

見かけからは想像つきませんが、実はゴカイやミミズ、ヒルなどと同じ環形動物の一員。

 

150種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生しているそうですが、ごく一部(12種ほど)がヒトデ、クモヒトデ類から報告されているそうです。

 

前回、ヤマトゴカクヒトデの内臓(幽門盲嚢)に寄生するスイクチムシの一種を紹介しましたが…

昨日はウデナガゴカクヒトデの幽門盲嚢からスイクチムシを見つけてしまいました!

こちらが死んだウデナガゴカクヒトデ…この中にいました。

実は、探していたのはスイクチムシではなく、寄生性甲殻類シダムシだったんですけどね。

同属(Mediaster)のユミヘリゴカクヒトデMediaster arcuatus にはシダムシが寄生しているのに、このウデナガゴカクヒトデMediaster brachiatus からは見つからない。不思議だな…と思いつつ、それでもヒトデが死ぬたびに解剖して確認していたんです。

それで今回、初めて見つけたのが別の寄生生物であるスイクチムシ。

体幅7mmほど。こちらは背側

腹側。この画像でははっきりしませんが いぼ足の先端に剛毛が生えています。ヤマトゴカクヒトデのスイクチムシよりも活動的だな。

このスイクチムシはまだ知られていない種類(未記載種)である可能性もあります。要調査です。

ところで、シダムシとスイクチムシって、すみわけしているのかねぇ…。

【飼育研究部 森滝丈也】

お願い?

$
0
0

ラッコのメイちゃんが「お願い」ポーズが出来るようになって・・・

今度はお客さん側に向けてみることにしました!

こう?

ん~、もうちょっとお客さんのほう向いてくれるかな?

こんな感じ?

そうそう!これでお客さんからもちゃんと見えるよ~♪

と、完成したのですが、その時ちらっと頭をよぎったのは五郎丸選手のあのポーズ。

やってみようかと思ったものの、決心がつかず(^_^;)

 

しかし!先輩がチャレンジしてくれました!!

どうですか!?

気が付いたお客さんには結構ウケてました(^o^)

今度は私もチャレンジしてみたいと思います。

見かけたら笑って下さい~!!

遅すぎる初めまして!?

$
0
0

どーもー!はじめまして~、ニッシーです!

初めて飼育日記を書かせていただきます!

飼育日記をいつか書こうと思い続け、気づけば入社してから約2年半も経っていました。

・・・明日やろうはバカ野郎とはこのことですね(笑)

 

ピッチピチ!の学生の頃から愛読していた飼育日記を読む側から書く側になるとは、なんとも不思議な気持ちで仕方ありません。

さてと、思い出に浸るのはこの辺にして・・・私は今年新しくオープンした「奇跡の森」で働いていて、主にこの子達のお世話をしています!

 

 

 

 

そう、このカメ達です。

しかし、ただのカメではございません!

この子達は「リクガメ」というカメの仲間で、カメなのに水の中ではなく、陸上で生活している変わったカメなんです。

(何回カメって言うねん!?)

 

岩のような大きな甲羅を背負っていて、丸太のように太い脚が特徴です。

これだと、ちょっとイカついイメージがしますよね?

・・・でもね

 

 

 

 

餌を黙々と食べている時はこんなにもかわいいんですよ!

ギャップ萌えってヤツですね(笑)

リクガメ達が餌を食べている時はお昼頃が多いので是非とも、【奇跡の森】まで見に来てくださいね-!!

 

これからもこんな感じで飼育日記をドンドン、コツコツ、ボチボチと投稿していきたいと思います!

よろしくお願いします。

 

以上、ニッシーでした!

Viewing all 4697 articles
Browse latest View live